秋登山の服装について、コンディションの特徴とそれに対応するウェアのレイヤリングの考え方、ウェアそれぞれのおすすめモデルをまとめています。
秋登山の特徴
秋登山と言えばもちろん「紅葉」です。山の紅葉は日本一早い紅葉と言われている北海道の大雪山から始まります。紅葉が始まるのはなんと9月上旬で、見ごろは9月中旬から下旬です。
ここから紅葉前線が1か月半かけて南下していきますが、例えば立山黒部アルペンルートなど早いところは9月下旬、上高地は10月上旬など、標高が高い山は平地に比べると1か月以上早い場所もあるので、最新の紅葉情報をチェックしましょう。秋登山はタイミングが命です。
ちなみに、紅葉情報は天気予報サイトなども参考になりますが、写真で最新状況を確認しやすいのはtwitterの検索です。あまり人がいないマニアックな場所だとtwitterでも情報がない場合もあります。
秋が終わると初心者には登山が難しい冬山シーズンに入ります。紅葉が楽しめる時期はとても短いので、一年の登山納めが悔いがないよう最高のタイミングを狙ってください。
秋登山ならではの三段紅葉
秋登山ならではの紅葉が、山頂付近の雪の白・中腹の色づいた赤・山麓の緑でつくられる「三段紅葉」です。特に白馬周辺が有名で、秋は多くの登山客でにぎわっています。
秋は空気が澄んで視界が開けやすいので、秋晴れの日は空と合わせて四段紅葉を楽しむこともできます。
秋登山の服装の選び方
秋登山では、朝晩の冷え込みが厳しく気温が一桁になることも多いため、保温力が高い防寒着は必須です。また、標高差でもかなり気温が変わってくるので秋登山においてはあまり標高差が大きい登山道は服装のチョイスが難しくなります。
また、秋登山のもう一つの特徴として、冬至が近いので日没がかなり早い点が挙げられます。日没が近いと気温が急激に低下するので服装の防寒対策は欠かせませんが、それ以上に足元や登山道を見失ってしまわないリスク管理が重要です。秋登山はなるべく早く下山することを心がけましょう。
服装 | イメージ | 選び方 |
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帽子 | 日差しは夏と比べてかなり弱くなるので、朝晩の冷え込みに備えてニット帽がおすすめ。耳が冷えるのでニット帽をかぶるとかなり暖かい。 | |
ネックゲイター | コンパクトで持ち運びにかさばらず、朝晩だけ簡単に保温力を高められるネックゲイターは秋登山に最適です。首回りを保温するだけで体感温度がかなり違う。値段も手ごろなので一枚持っておきたい。 | |
アンダーウェア | 秋は寒暖の差が大きい時期なので、しっかりした保温力がある中厚手のウールやウールと化繊混合のベースレイヤーがおすすめ。行動中に汗が出てきた場合は上着を脱げば調整可能。 | |
ミドルレイヤー | 秋登山はミドルレイヤーを着用して行動することが多いため、保温力だけでなく動きやすいストレッチ性や多少の汗であれば蒸れを抑える透湿性が高いウェアがおすすめ。具体的にはフリースやソフトシェルだと動きやすく、行動中のストレスが少ない。 着たまま行動すると多少暑いが保温力が高いのが化繊インサレーションや薄手のダウン。気温が低い予報の場合はこちらがおすすめ。 |
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アウター | そもそも、ハードシェルとソフトシェルに明確な違いはなく、中間の性能のウェアも多々存在する。気温が低く、行動中はアウターを着たまま行動するようなコンディションの場合はより保温性が高いハードシェルに近いものがおすすめだが、ミドルレイヤーと合わせてうまく保温できる場合は蒸れに強くストレッチ性が高いソフトシェルがおすすめ。 また、レインウェアをアウターとして使っても問題ない。一番保温性能が高いのはハードシェル。 ハードシェルとソフトシェルの違いの詳細は登山・トレッキングのアウタージャケット参照。 |
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トレッキングパンツ | 秋登山は保温性がある中厚手のロングパンツ(長ズボン)が基本。登山用のズボンは多少厚手でもストレッチ性が高く動きやすいので、ぜひ山専門ブランドウェアの購入を。立体裁断でより動きやすいモデルや、傷みやすい膝やお尻付近の生地を補強したモデルも存在する。 | |
靴下 | 秋登山では高い保温力とソフトな肌ざわりのメリノウールのソックスがおすすめ。ウールは防臭効果もあるので長時間歩いても臭いが気にならない。 登山用の靴下は立体裁断でフィット感が高いため歩行時にずり落ちてくることが少なく、足裏はクッション性が高いなど登山に必要な機能が備わってる。投資額の割に快適性が高いので登山の服装の中でもいち早くそろえておきたいアイテム。 |
帽子
秋登山ではブランド問わずニット帽(ビーニー)がおすすめです。素材はウールが基本ですが、ポリエステルなど化繊が含まれていると透湿性が高くなるので湿気がたまりにくく、行動中は汗をかきやすい登山に適しています。
基礎知識:登山の帽子の選び方
ネックゲイター
秋登山では朝晩がかなり冷え込みます。ネックゲイターを一枚持っていくと、防寒着を着ると少し暑いが着ないと少し寒い時など微妙に保温力の調節ができるようになるので、より快適に行動することができます。
モンベルのシャミースアジャスタブルネックゲイターは、シャミースジャケットと同じく薄手、軽量ながら生地の割に保温性が高くいため登山にうってつけのネックゲイターです。多少汗をかいても透湿性が高いのでつけっぱなしでもある程度問題ありません。
基礎知識:ネックゲイターの選び方
アンダーウェア
秋登山におすすめのアンダーウェアは定番のモンベル「スーパーメリノウールM.W」です。少し気温が高く、より透湿性を求める場合は化繊の「ジオラインM.W」がおすすめです。機能性が高くて値段も登山ウェアにしては良心的なので、アンダーウェアはモンベルがあれば文句なしではないでしょうか。
秋は中厚手のM.W(ミドルウェイト)が基本になりますが気温が高い場合は薄手のL.W(ライトウェイト)を選んでもよいでしょう。
基礎知識:登山のアンダーウェア・インナーの選び方
基礎知識:ベースレイヤーの基礎知識
ダウン
ダウンは軽量で付属のスタッフバッグに入れるとかなりコンパクトになるため、秋冬の登山の防寒具としてかなり定番です。中でも薄手のインナーダウンはアウターの下に重ね着しやすく、アウターで冷たい外気をシャットアウトしつつ中のダウンで暖かい空気をため込むことができるので、うまく保温することができます。
モンベルのスペリオルダウンジャケットは薄手で丸首になっているので、アウターの下に重ね着しやすく持ち運びもかなりコンパクトなモデルです。薄手なので通勤やバイクや自転車などのインナーダウンとしても幅広く使えます。
基礎知識:登山のダウンジャケットの選び方
化繊インサレーション
化繊インサレーションはダウンと比べて重たくて保温性が低いイメージがありましたが、どんどの新しく開発された繊維が登場してダウンとの差がもはやなくなっていると言えます。
モンベルのU.L.サーマラップ ジャケットはエクセルロフトと呼ばれる太さが異なる3種類の繊維で形成された化繊インサレーションで、保温力と何度もパッキングと着用をくりかえしてもロフト(繊維のかさ)がへたりにくい復元力の高さがウリです。値段も手ごろなので普段使いから秋冬登山までヘビーに使えます。
基礎知識:化繊インサレーションの選び方
フリース
秋登山におすすめのフリースはモンベルフリースの中でもストレッチ性が最も高くて動きやすく、やや薄手で保温性と透湿性のバランスが絶妙なトレールアクションパーカです。
一番薄いシャミースジャケットよりは多少生地が厚くて保温性があり、フード部分のジッパーを上げると鼻まで覆うことができるので体温調整がしやすくなっています。素材のストレッチクリマプラスはモンベルのフリースの中でも最も動きやすさを求めて作られた素材なので長時間着用していてもかなりストレスは少ないでしょう。
モンベルのフリースの比較はモンベルフリースのおすすめモデル一覧【比較表】にまとめています。
基礎知識:登山フリースの選び方
ソフトシェル
秋登山のアウターとして使いやすいのが、モンベルのノマドパーカです。ある程度の厚みがあって裏地がフリース素材なので低山の秋登山のアウターに必要とされる保温力と防風性があります。ストレッチ性もある程度担保されていてストレスなく動けるバランスの良さが人気です。
基礎知識:ソフトシェルの選び方
トレッキングパンツ
秋登山におすすめのトレッキングパンツは中厚手で軽量性、保温力のバランスが良いサウスリムパンツです。薄手と比べるとストレッチ性は劣りますが、擦れなどのダメージの耐久性が高いのでガンガン使えます。
基礎知識:トレッキングパンツの選び方
スカート
女性の秋登山で、あまり寒くない時期や低山などでおすすめのコーデがスカート+タイツスタイルです。モンベルのストレッチO.D.ラップショーツはスカートの内側がズボンになっているので視線を気にする必要がありません。
基礎知識:登山スカートのおすすめモデル
登山タイツ
タイツについては、登山に限らずあらゆるスポーツで人気があるCW-Xのジェネレーターをおすすめします。サポートタイツ系では最高のサポート機能で怪我の防止や疲労軽減に役立ちます。サポート力の高さはしっかりした厚みの生地によるものと言え、厚みがある分暖かさもあるので秋登山に適しています。
基礎知識:登山用タイツのおすすめモデル
靴下
秋登山では保温性が高いウールの靴下がおすすめです。ウールの登山用靴下と言えばスマートウールが定番です。厚さの違いで「ウルトラライト」「ライト」「ミデアィム」「ヘビー」の4種類が存在します。
基礎知識:登山用靴下の選び方