登山用品をそろえていく中で意外と疎かにしがちなアイテムが靴下です。値段も安く、小さな用品ですが、体の末端の指先から暖める事は特に雪山、冬山登山には非常に重要です。
今回は登山用のトレッキングソックスについて必要な機能の説明と人気のおすすめ靴下について紹介します。
登山・トレッキングに靴下が大事なアイテムである理由
靴下は直接肌に触れるという意味で、広義にアンダーウェア、ベースレイヤーの一つと考える事ができます。つまり、靴下に関しても上半身に着るインナーやタイツ、下着と同様に素材にはこだわったほうがよいでしょう。
登山・トレッキングは上半身よりも下半身を動かす事が多く、特に靴下は地面と接点である登山靴と素足の隙間を埋める存在であるため、快適な歩行の半分は靴下にあると言っても過言ではありません。
自分の足の形にあった登山靴を選んだ後は、よりフィット感を高めて履き心地の良い靴下の購入を検討しましょう。
登山の靴下を選ぶポイント
ここでは登山用の靴下を選ぶポイントを5点まとめました。
フィット感・クッション性
登山・トレッキングでは、登りの時はかかとに、下りの時はつま先に重量がかかり、ずれてマメや靴擦れを起こしやすい運動であると言えます。また、登山靴とつま先の間には適切なサイズを選んで履いていれば、通常ある程度空間があるもので、その空間がズレの原因につながります。様々な厚みの靴下の中から自分の足と登山靴に合った適切な厚みの靴下を選びましょう。フィット感にこだわる人は5本指の靴下もおすすめです。
肌触り(擦れないこと)
歩行中、靴下は登山靴の内側でゴリゴリと押し込まれた状態で肌と触れることになります。表面がチクチクしていて気になったり、肌に擦れて痛くなりそうであったり、肌触りが良くないような素材は回避しましょう。
吸湿速乾性
歩行がメインの登山の靴下に必須の条件は、他のアンダーウェア同様に吸湿速乾性が高い素材を選ぶ事です。登山靴で密閉されて湿気が貯まりやすい空間であるため、汗をかくと雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因となります。間違っても綿の靴下は履かないように注意しましょう。
保温性
体全体の冷えは末端の足や指先から来ます。また、脂肪がつきにくい足首も意外と冷えやすい場所です。運動不足でふくらはぎの筋肉が落ちていると、十分に血液を足先まで送るポンプの働きができず、こちらも冷えの原因となります。特に冬季の雪山では、足首までしっかり保温する靴下を選びましょう。
防臭・抗菌性
素材自体に防臭・抗菌加工が施されている靴下を選ぶと、登山の後に靴下をそのまま捨ててしまいたくなる気持ちにならずにすみます。夏のトレッキング・ハイキングはしっかり防臭対策しましょう。
アンダーウェア全般の素材について、詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にして下さい。
登山用靴下は季節に応じた素材を選択が重要
夏はより吸湿速乾性と抗菌性、防臭性が高い素材
汗を多くかく時期の靴下は汗対策と臭い対策が重要です。モンベルのウイックロンのような素早く水分を吸収して発散してくれて、光に当たることで臭いの元を分解する光触媒効果を持つ粒子を繊維に練りこんでいるような素材がベストです。
冬は保温性が高い素材
冬はメリノウールが鉄板です。保温効果も高く、ウールは防臭効果も高いのが特徴です。
靴下を二重に重ね履きする必要性
最近販売されている靴下は高性能で様々な厚みが選べ、1枚で非常にクッション性が高い素材の靴下もあるため、基本的に二重に重ね履きする必要はありません。
どうしても足の指先が冷えるため防寒したい人や、登山靴がゆるいため隙間を埋めたい人(この場合は適切なサイズの登山靴でない可能性が高いですが。)等は二重の重ね履きを試してみてもよいと思いますが、速乾性が低下してしまうので、特に内側に履く靴下は速乾性が高い薄手の化学繊維のソックスを選びましょう。
おすすめの靴下(5本指モデル)4選
登山やトレッキングに限らず様々な運動において一定層から人気があるのが5本指の靴下です。5本指の靴下は「指の間までフィットして汗を吸い取る」「靴下の中で指同士が直接擦れないのでマメの防止になる」「指を独立して動かせるので指先まで力をいれやすい」といったメリットことが人気の理由です。
ここではおすすめの5本指モデルの靴下を紹介します。
(アシックス)asics プロパッド5本指カラーソックス
アシックスのプロパッドは5本指の靴下の中でも特におすすめです。値段は少し高いですが、かかと、足の甲、母趾球のマメや靴ずれになりやすい場所にパッドが入っていて厚くなっているので快適に歩行することができます。
(Tabio)レーシングラン5本指ソックス
まずは「靴下屋」でおなじみのTabioの5本指の靴下です。靴下専門店で、made in japanの製品なので安心感があります。厚手でしっかりした生地なのでハードに使ってもすぐに破れる事はありません。まず1束持っておきたい5本指靴下です。カラーバリエーションも豊富でカラフルなラインナップになっています。
(シースリーフィット)C3fit 5フィンガーアーチサポートショートソックス
スポーツウェアでおなじみの(シースリーフィット)C3fitももちろん5本指の靴下を販売しています。繊維が足裏のアーチをサポートする形状をしていて、衝撃を吸収し、歩行時にバネの役割を果たして推進力を上げてくれます。土踏まずの部分はソフトな肌触りで、ハードに圧迫されるつま先部分は丈夫な素材の切り返しになっています。
(シーダブリュエックス)CW-X CW-X パーツ(5本指ソックスショートタイプ)
(シーダブリュエックス)CW-Xのパーツはこちらもテーピングのようなサポート力があり、足首を安定させてくれます。抗菌防臭素材が使われているので夏の汗を大量にかく季節も安心です。比較的薄手の生地になります。
おすすめの夏モデルの登山用靴下
ミズノ バイオギア ドライベクターアーチハンモックソックス
ミズノのバイオギアドライベクターアーチハンモックソックスは、ミズノの高機能着圧インナーシリーズの「バイオギア」と吸湿速乾防臭素材の「ドライベクター」が合わさった、夏登山に最適なアウトドア用靴下です。
「少し高いけど、土踏まず部分のサポートがとてもいいので登山だけでなく普段でも履いています。」「これをはいたら他にはもどれない」など評判が高いです。
おすすめのメリノウールの登山用靴下3選
メリノウールとは、最高品質の天然羊毛の素材のことを指します。通常のウールに比べて肌触りがソフトで、生地は薄く軽く、適度な吸湿性と高い保温性があります。
ここでは、素材にメリノウールが使われているおすすめの靴下を紹介します。
smartwool(スマートウール) ハイキングミディアムクルー
メリノウールの靴下の代名詞と言えばスマートウールです。素材の厚さで「ウルトラライト」「ライト」「ミデアィム」「ヘビー」と種類があります。
ファイントラック メリノスピンソックスEXPレギュラー
メリノウールとポリエステルの混合繊維「メリノスピン」で作られている登山向けソックスです。靴下だけで自立してしまうほどの精巧な立体裁断がされているため、履き心地がよく動いてもずり落ちてくることはほぼないでしょう。
ハイブリッド素材であるため、単純なウール100%と比べて3倍の強度があるため高頻度で使用する人にもおすすめです。
FITS(フィッツ) エクスペディションブーツ
抜群のクッション性を誇る厚手の登山靴下です。登山だけでなくスノーボードや釣りなど長時間ブーツを履いて行動するようなスポーツにも最適です。
初心者向けの安い登山用靴下
靴下はけっこう消耗品です。厳冬期の雪山やトレイルランニングなどよっぽど性能を求めるような登山でない限り、ノーブランドの安いアウトドアソックスでも機能は十分満たしています。
まずは安い登山用の靴下を使いつつ、ステップアップしていきましょう!
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登山用靴下を含む登山の服装の基礎知識についてはこちらの記事にまとめています。合わせてチェックしてみてください。