雪山登山向けゴーグル【おすすめモデル・選び方・曇らない使い方】

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冬の雪山などで使う登山向けゴーグルについて、選び方のポイント、曇らない使い方とおすすめモデルをまとめています。

雪山登山でゴーグルを使うシチュエーション

ゴーグルの選び方の前に、まずはゴーグルを使うべきタイミングを理解しましょう。冬山の雪山登山において、基本は曇りにくく長時間つけていてもストレスが少ないサングラスをつけて行動し、どうしてもゴーグルを着用しないと厳しいコンディションのみゴーグルを着用すると快適に行動できるでしょう

以下にゴーグルとサングラスの特徴を比較しました。

比較項目サングラスゴーグル
長時間着用のストレス
着脱の楽さ
曇りにくさ×
ずれにくさ
冷気や雪をシャットアウト×
防寒効果×
皮膚の保護
使用に適したコンディション晴天
風が弱い
気温が高め
吹雪
強風
気温が低め

ゴーグルは冷気や雪をシャットアウトして保温性能が高く、ヘルメットニット帽などの帽子と合わせて装着するとゴムバンドでしっかりフィットするので強風下でも吹き飛ばされる不安もありません。

一方、ゴーグルの一番の課題が「曇りやすさ」です。いくら冬といえ、行動中はどうしても汗をかくことが多いと思いますが、ゴーグルは顔の表面から発生した汗や鼻息などが水蒸気となってすぐに曇ってしまいます。

つまり、曇りやすいコンディションでゴーグルの使用は避けてサングラスを使用しましょうということになりますが、「曇りやすいコンディション」とは体温が上がりやすい状況、つまり、晴天で無風の状況です。

逆に強風で吹雪が吹いているコンディションは体温が奪われて上がりずらいのでゴーグルが汗で曇ることも少なく、隙間もないので冷気や雪も完全にシャットアウトすることができます。

迷うコンディションは雪が降っているが無風の状況です。これは気温にも因りますが気温が低くて行動中も汗をかかないぐらいであればゴーグルのほうが雪が隙間から入ってくるストレスが少ないでしょう。汗を大量にかきそうであれば隙間の雪はあきらめてサングラスにしたほうが、ゴーグルの曇りと比べてストレスが少ないと思います。

雪山登山向けゴーグルの選び方

上記のシチュエーションを前提に考えると、雪山登山に持っていくゴーグルは「曇りや吹雪の時でも視界が効きやすい明るめの色かつ曇りにくいダブルレンズのゴーグル」を選ぶと無難でしょう。

  1. レンズの色
  2. シングルレンズとダブルレンズ
  3. ジャパンフィットか海外モデルか

レンズの色

レンズの色はグレー、ブラウン、グリーン、ブルー、イエロー、オレンジ、クリア(透明)など様々な種類があります。(詳細:登山用サングラスの選び方

ゴーグルを着用するコンディションを考えると、基本的には太陽の光が眩しい状況ではなく足元が見えずらい状況になるので、その場合は明るいイエロー、オレンジがおすすめです。

色によってだいたいの「可視光線透過率」が変わってきますが、悪天候専用であれば50%以上光を通すレンズ、悪天候から明るめの曇りまで対応する場合は40%前後の可視光線透過率があればよいでしょう。

太陽の光が眩しい場合は雪面の照り返しが厳しく、「光誘発角膜炎(雪目)」になる可能性があります。晴天でかけるサングラスは、しっかりと光をカットする透過率10%~20%前後の暗めのモデルがおすすめです。

シングルレンズとダブルレンズ

まずはゴーグルが曇るメカニズムを説明します。空気に含むことができる水蒸気の量は気温によって異なり、暖かいほうが多く水蒸気を含むことができます。水蒸気が発生する皮膚の表面と比べてゴーグルの表面が冷たくて温度差が大きければ大きいほど曇りが発生しやすくなります。

シングルレンズとダブルレンズを比較すると、断熱の空気層を間に挟んだダブルレンズのほうが内側のレンズが冷たくないずらく、圧倒的に曇りにくくなります。ゴーグルは必ずダブルレンズを選びましょう。

ジャパンフィットか海外モデルか

ジャパンフィットの雪山登山ゴーグル
出典:swans

欧米人の細長い頭の形に比べて、日本人の頭の形はより丸みが強い形をしています。欧米のアウトドアブランドは基本的に欧米人の頭の形をベースにゴーグルをつくるので日本人からするとカーブがきつくなります。

欧米ブランドであればジャパンフィットモデルを、もしくはモンベルやスワンズ(swans)のようにメイドインジャパンのブランドのゴーグルを選ぶとフィット感が高いでしょう。

ゴーグルが曇らない使い方のポイント

ゴーグルが曇らない使い方の原則は「①汗をかく状況で使わないこと」「②つけたり外したりしないこと」「③吐息や鼻息を入れないこと」です。

①は、ベンチレーションをうまく使って熱気を外に逃がすか、サングラスを使えるならサングラスに変更することで対応します。

②は、ゴーグルを外してニット帽に載せたとき、ニット帽の内側から頭の熱気がゴーグルに溜まることがあります。また、雪が降っている場合は雪が中に入り込むとこれも曇りの原因になります。ゴーグルを一度装着したら、休憩以外ではなるべく外さないほうが曇ることが少ないでしょう。

③は、バラクラバネックゲイターをゴーグルで挟むと鼻息や吐息がゴーグルの中に入りやすくなるため曇りの原因になります。バラクラバは調整が難しいですがネックゲイターの場合はゴーグルと間に少し隙間を作ってあげると曇りにくくなります。(その代わり鼻が外気に触れるので寒くなりますが)

雪山登山にスキーやスノボ用ゴーグルを使ってもいいか?

問題ありません。スキーやスノーボード用のゴーグルも結局コンディションによって適した色が異なり、晴天のスキー場では暗めの色、吹雪やナイターではイエローやオレンジ系を使います。

スキーやスノーボードのほうが、晴れていても吹雪いても同じレンズを使い回す前提で汎用的な色を選ぶため、雪山登山で使うシチュエーションよりも少し可視光線透過率が低い暗めを選ぶことになると思います。多少選ぶ視点が異なることを理解しておきましょう。

いずれにしても冬山・雪山で使うゴーグルはある程度の値段を出せばダブルレンズで視界が広い高機能モデルが多く発売されています。スキー用だと瞬間的に足元の地形を判断しやすいように偏光レンズも人気があります。

偏光レンズは特に晴天時の雪面の照り返しに有効なので冬山・雪山登山の場合はサングラスに偏光レンズを選ぶとより快適度がアップします。偏光レンズのメリットデメリットは登山用サングラスの記事を参考にしてください。

おすすめの雪山登山用ゴーグル

【SWANS】C2N(レンズカラー:パステルブラウンミラー×ブライトピンク)

C2NはSWANSの中でもハイスペックモデルのゴーグルで、簡単にレンズ交換が可能な「イージー4ロックス」という機構が搭載されています。レンズはSWANSの従来モデルと比較して2倍曇りにくいレンズに進化しています。

レンズカラーは様々ありますが、パステルブラウンミラー×ブライトピンクのレンズは可視光線透過率が47%なので悪天候で力を発揮してくれます。レンズ交換が楽なのでより透過率が低いレンズを別途購入すればスキーやスノーボードにも使うことができます。

【SWANS】200(レンズカラー:レッドミラー×グレイ)

200はシンプルなデザインと構造のエントリーモデルになります。左右の視界が広く眼鏡対応のゴーグルです。ヘルメット対応のくもり止め加工付き成形球面レンズを搭載。

【SWANS】634

SWANSのハイスペックモデルが、リチウムイオンバッテリーとつないでレンズを発熱して曇りを除去する634です。充電式のリチウムイオンバッテリーのパワーを利用してレンズに内蔵された透明発熱体がレンズのくもりや凍結を除去します。リチウムイオンバッテリーはUSB-microUSB端子を標準装備。フル充電で雪上で最大約6.5時間の連続使用が可能です。
ただし、気温が低い冬山ではバッテリーの出力が落ちやすいのでモバイルバッテリーを持っていきましょう。可視光線透過率は44%です。

【オークリー】クリアレンズゴーグル

こちらのモデルが特別におすすめというわけではありませんが、クリアレンズというのも一つの選択肢としておすすめです。クリアレンズは最も光を通し、ゴーグルを装着しない場合と同じ視界を確保することができます。

初心者向けの安い雪山登山ゴーグル

ハイスペックモデルはダブルレンズで曇りにくく、視界も広い性能を持ち合わせていますが、ノーブランドの安いゴーグルでも最近はダブルレンズ採用&レンズも大きいモデルが増えているので、ブランドにこだわらなければ、正直初めての軽い雪山登山であればノーブランドで問題ありません。

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