ピッケルの種類・選び方とおすすめモデル比較7選

photo by Kevin Teague

ピッケルは雪山登山の代表的登山用品でありながら、意外と使い方が広く知られていないアイテムです。シンプルな形状をしていながら、滑落時のストッパーやバランスをとったり氷を掘ったりと様々な使い方があります。今回はピッケルの種類や選び方、おすすめモデルについてまとめました。

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ピッケルのパーツの名称と役割と選び方のポイント

ピッケルのパーツの名称と役割

①ヘッド

ピッケルの上部全体をヘッドと言い、ピッケルの心臓部分となります。ピック、カラビナホール、ブレードから構成されます。縦走用ピッケルを選ぶときの大きなポイントがヘッドの形状です。歩行中はヘッドを持つため、ヘッドが手になじむかどうかが非常に重要になってきます。手にあたって痛かったり、しっかり握ることができないものは避けた方がよいでしょう。

②ピック

ピッケルの先端の尖った部分をピックと言います。氷雪にさして滑落を停止したり、確保支点としたりします。当然先端が鋭いほうが氷雪に刺さりやすいのですが、縦走がメインであればピックを刺して使う場面はそこまで多いとは言えないので、MIXルート用やアイスクライミング用のピッケルと比べると鋭利でない形になっていることが多いです。ピックは鋭利で危険なので行動中は怪我を防ぐために必ずカバーを装着しましょう。(ピック同様にブレードとスパイクもカバーが必要です。)

③ブレード(アッズ)

ヘッドのピックと逆側をブレード、またはアッズと言います。氷雪を削って足場を作ったり、雪を掘ったりするために使います。アイスクライミング、アルパインモデルはブレードではなく、支点を打ち込むために使うハンマーになっているタイプもあります。ブレードの形状にも様々な種類がありますが、歩行時に手のひらに一番あたる部分であるため、握ったときにストレスを感じないモデルを選びましょう。

④カラビナホール

ピッケルのリーシュを通す穴です。

⑤シャフト

まっすぐになっているシャフトは斜度が緩い場所で歩行時に雪に刺しやすく使いやすいメリットがあります。一方、カーブシャフトは急峻な斜面で使いやすい点です。急斜面や堅い雪面ではシャフトを深く差し込めないため、シャフト上部とヘッドを握り込むダガーポジションと呼ばれる握り方をしてピック部分を刺して使うことがあります。カーブシャフトのピッケルはストレートシャフトのピッケルに比べてダガーポジション時に使いやすいメリットがあります。

雪山初心者の人はまずストレートシャフトを選ぶとよいでしょう。慣れてきたら2本目にカーブシャフトを購入すると使い分けできます。

⑥リーシュ

ピッケルを落とさないように体を通すバンドをリーシュと言います。リーシュには手首に通すタイプと胴につなぐタイプがあります。

⑦スパイク(スピッツェ)

シャフトの末端をスパイク、またはスピッツェ、石突と言います。雪面に突き刺して使うため鋭利で強度が高い金属が使われています。ピッケルの中で最も消耗が激しいパーツになります。

ピッケルの種類

通常使うピッケルの種類は大きく分けて4種類に分類されます。目的に応じて使うピッケルの種類が異なるため、ピッケルの種類を理解して適切なモデルを選びましょう。

縦走用ピッケル

縦走用ピッケル
出典:グリベル

もっとも一般的なピッケルです。初心者向けの斜度がきつくないルートから登攀ルートまで幅広く使えるオールラウンドモデルです。歩行中心に行動することをメインに想定される場合はこちらを選びましょう。形状はシャフトが直線的で雪にまっすぐ突き刺しやすいため、歩行時に使いやすいです。素材にはアルミ合金などが使われて400〜500gのモデルが平均的で十分な強度があります。

MIXルート用ピッケル

MIXルート用ピッケル
出典:グリベル

縦走だけでなく、急斜面にも適合したモデルです。特徴はシャフトが曲がっていて、かつヘッドも下向きで急斜面でピック(ピッケルの先端)を刺しやすくなっています。ピックの先端もより刺さりやすいように尖った形状になっていて、交換できるモデルが多いです。登攀時に使いやすいように50〜60cmと短めになっています。素材は鉄鋼でアルミ合金よりも重いですが強度が高いため、急峻な場所でも安心です。

軽量ピッケル

軽量ピッケル
出典:グリベル

主にバックカントリーのスキーヤーやスノーボーダーが緊急時に使用することが想定されているピッケルです。通常の縦走用ピッケルよりも軽量で強度も劣るため、積極的に利用すると破損しやすいので注意が必要です。シャフトが細くヘッドも小さいため、氷に刺したり雪を掘ったりする処理は縦走用と比較してやりずらくなります。

アイスクライミング・アルパインクライミング用

上級者モデルのピッケル
出典:グリベル

アイスクライミングやアルパインクライミング用のピッケルです。ブレードは省略されていたり、ハンマーになっているものが多く、ピックも通常は緩く下向きにカーブしている形とは逆のリバースピックと呼ばれる逆にそり返った形をしています。

氷の壁を登るような場合はリバースピックのほうが刺さりやすく、意図せず抜けることが少ないことがメリットになります。また、シャフトの最下部が上向きになった形になっており、アイスクライミングやアルパインクライミング時に握力を温存することができます。

ピッケルの選び方・選ぶポイント

長さ

歩行のサポートとして使う場合はヘッドの中央を握ったときにスパイクの先がくるぶし辺りにくる長さが標準的と言われていますが、歩行時はトレッキングポールを使うことが増えているため、少し短めが選ばれるケースが多いです。急峻なルートを登攀する場合など、斜度が急になればなるほどピッケルは短いほうが扱いやすくなります。また、様々な斜度に対応しないといけないので、持ち代えも多く発生するため短いピッケルのほうが取り回しやすくなります。

重さ・強度

ピッケルの利用用途は、滑落防止、滑落した際の初期制動、氷雪を削って足場を作ったり、ビレイの支点、歩行時のバランス補助、など様々です。その中でも雪山・冬山でピッケルの最も重要な役割は滑落時の初期制動です。あまり軽すぎるピッケルだと打ち込んだ時に氷雪に弾かれてしまう可能性もあるため、ヘッドにはある程度重さがあったほうが安心感があります。また、急斜面を登攀する場合はピックを打ち込んだ時に体重を預けられる強度も重要です。

ヨーロッパのピッケル主要ブランドはBマーク(=ベーシック)とTマーク(=テクニカル)のカテゴリ分けをしています。ベーシックは緩斜面や縦走時に使うための強度、テクニカルは全体重がかけられる頑丈なシャフト、食い込みがよいピック等、本格的な急斜面の冬山に対応可能なカテゴリです。

登山装備は軽量化が基本でピッケルに関しても軽いほうが疲労は少なくなりますが、本来の目的を考慮して必要な重量と強度のピッケルを選んでください。

おすすめの縦走用ピッケル3選

PETZL(ペツル) サミット

ペツルのサミットはカーブシャフトモデルのため、縦走や緩斜面から急斜面までに対応したモデルです。新モデル旧モデルと同じ性能ながらは59cmで380gとかなり軽量化を実現しています。

ブラックダイヤモンド(BlackDiamond) レイブンプロ

ブラックダイヤモンドの縦走用ピッケルで人気の定番モデル「レイブン」のヘッドと石突を少し小さくして軽量化したモデルです。50cmで362gとかなり軽量です。制動力やカッティング性能はレイブンの方が分がありますが、ブレードやピックを使う機会が少ない雪解けの時期や難易度が高くない冬山に適しています。

CT-climbing technology(クライミング・テクノロジー) Alpin Tour アルパインツアー

クライミングテクノロジーのアルパインツアーはリーズナブルな値段ながらもテクニカルタイプに分類されるモデルです。滑落時の制動がしっかり効く大きめのブレードです。腕用のリーシュも付属しています。

おすすめのMIXルート用ピッケル1選

グリベル(GRIVEL) エアーテックエヴォリューション

グリベル(GRIVEL) エアーテックエヴォリューション
おすすめはグリベルのエアーテックエヴォリューションです。硬い氷でもしっかりと打ちこむことができる鋭いピックに定評がある、中上級者に人気のピッケルです。急斜面で利用する機会を想定すると、しっかり刺さってくれるピッケルは安心感があります。ブレード部分がハンマーになったタイプやシャフトがカーボン合成のモデルもあります。

おすすめの軽量ピッケル3選

CAMP(カンプ)コルサ

カンプのコルサはシャフトだけでなくヘッドも全てアルミで軽量化を追求しています。重量はなんと205gと驚きの軽さです。積極的な利用には向きませんが、バックカントリーのお供に最適です。

ブラックダイヤモンド(BlackDiamond) レイブンウルトラ

ブラックダイヤモンドのレイブンウルトラは「レイブンプロ」からスパイクを省略したモデルです。348gと軽量ピッケルの中では重量があるほうですが、バックカントリーながらもピックやブレードにこだわる人はこちらがおすすめです。

ペツル(PETZL) グレイシャーライトライド

ペツルのグレイシャーライトライドは「グレイシャー」を短して軽量化したモデルであるため、スチール製で強度や使いやすさが損なわれていない点がメリットです。

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