蚊や蜂、ブヨなどに刺された時に被害を最小限にするために使うアイテムがポイズンリムーバーです。今回はポイズンリムーバーの使い方や効果、注意点とおすすめのモデルを5点比較しました。
ポイズンリムーバーとは
ポイズンリムーバーとは、ブヨや蜂などの害虫に刺されたり、蛇に噛まれたときに体内に入る毒素や毒針を吸引して排出するための救急用具です。医師の手当てを受ける前にその場でポイズンリムーバーで応急処置することで、体への被害を軽減することができます。
蚊やブヨ、スズメバチなどの虫が刺したり蛇が噛んだりするとき、穴を開けるのと同時に毒素を注入してきます。ポイズンリムーバーを使って体内に注入された毒素をすぐに吸い出すと、多少の症状緩和につながります。ポイズンリムーバーは可能な限り刺された直後に使用すると効果が高くなります。ただし、ポイズンリムーバーはあくまでも応急処置にすぎません。体に異変や問題が起こっていないかどうかの判断は医師の診察が必要です。また、ポイズンリムーバーを所持していない場合に毒を口で吸い出すのは危険なので絶対に止めてください。毒が口内から吸収される恐れがあります。
ポイズンのリムーバーの使い方
ポイズンリムーバーの使い方は、シンプルに刺された場所に押し当てて吸引するだけですが、いくつか注意点があります。
刺された直後に動き回らない
血の巡りが良くなると毒素が回りやすくなるので、心拍数を抑えるために安静にすることがポイントです。
ポイズンリムーバーの効果は刺された直後が重要
少しでも毒素が回ることを防ぐために1秒でも早く使用しましょう。2分以内が推奨で15分後経つと効果が薄いと言われています。
吸い上げた後は水で洗い流してできれば消毒する
ポイズンリムーバーを使った後は患部を水で毒素を洗い流し、できれば消毒して絆創膏を貼ってください。
使いまわしは感染症の可能性
ポイズンリムーバーを使用すると毒素と同時に体液や血液も吸引するため、使い回すと血液から感染する可能性があります。ポイズンリムーバーは使いまわさないようにしましょう。
ポイズンリムーバーの吸引時間の目安
動物 | 吸引時間 |
---|---|
ジガバチ、ミツバチ、スズメバチ | 1〜3分 |
蚊、アブ | 20〜30秒 |
スズキ目科の魚、クラゲ、オニダルマオコゼ | 2〜3分 |
ヘビ | 3分 |
クモ、サソリ | 1〜2分 |
ポイズンリムーバーの使い方の参考動画
おすすめのポイズンリムーバー比較
アスピラボ エクストラクター ポイズンリムーバー
吸引力に定評があるポイズンリムーバーがアスピラボのエクストラクターポイズンリムーバーです。吸引力が強いと針が残っている場合も吸い出しやすくなります。独自の機構で吸引中にずっと力を入れていなくて済むのも人気のポイントです。吸引用のマウスピースが4つ付属しているので患部に応じて使い分けできます。マウスピースは透明であるため患部を確認しながら吸引することができます。
デメリットはポイズンリムーバーの中では最も値段が高い(約3,000円)点と、プラスチックの専用ケースの大きさが少々大きめでかさばる(縦8cm×横12.3cm×高さ3.5cm)点です。本体のみのサイズは直径2.6cm、最大部分4.9cm、長さ11.8cmです。
アウトドアに携行しても傷つきにくく中身も壊れにくいソフトケースバージョンはこちら。
アスピラボ アスピブナン
アスピブナンはエクストラクターの後継器のポイズンリムーバーになります。違いはケースの大きさ。アスピブナンのほうが横長で多少コンパクトになっています。吸引用のマウスピースは1つ減って3つ付属します。
ケースのサイズ
エクストラクター:縦8cm×横12.3cm×高さ3.5cm
アスピブナン:縦5.5cmx横14.5cmx高さ3.5cm
ドクターヘッセル インセクトポイズンリムーバー
ドクターヘッセルのポイズンリムーバーはシンプルな構造で値段が安く手軽に使えるのが特徴です。吸引用のマウスピースは上下にひっくり返して2パターンの大きさで使用できます。
デメリットはエクストラクターと比べると吸引力が弱い点、マウスピースが透明ではないため吸引中に患部が確認できない点、吸引している間ずっと引っ張っている必要がある点です。
セーフティライフ ポイズンリムーバー
セーフティライフのポイズンリムーバーは逆止弁付きで吸引中にハンドルを引っ張っている必要がなく、ハンドルを何度も引くことで吸引力を調節できる点が特徴です。吸引力も高く、マウスピースも透明で患部を確認しながら吸引できます。値段も1,000円前後と安いです。
デメリットは2種類のマウスピースが結構大きいので小回りがきかない点。指先など患部によってはうまく吸引できない場合があるのでその点は注意が必要です。マウスピースの直径は大:2.6cm、小:2.2cmです。
ケアプラス ベノムエクストラクター
ベノムエクストラクターの特徴は片手で操作が可能なこと。本体を患部に当てて押し込むとバネの力で吸引が開始されます。黄色のエクストラクターは両手が必要なので患部の場所によっては使いづらいこともありますが、ベノムエクストラクターなら一人でも全く問題ありません。
デメリットは本体重量が最も重いこと。黄色のエクストラクターが26gに対し、ベノムエクストラクターは83gです。登山やトレッキングでなるべく軽量にしたい場合はエクストラクターのほうがおすすめです。
ポイズンリムーバーを使わないで済む予防策が重要
刺された箇所が痛んだり痒みが出ると登山に集中できないばかりか疲労感も出てきます。虫に刺されてしまったらポイズンリムーバーをすぐに使って被害を最小限に食い止めましょう。
また、ポイズンリムーバーを使用する機会がないよう、長袖を着用して虫刺されの予防をしてください。長袖といっても薄手だと虫の針などが貫通して刺されてしまうので、可能な限り厚手の着用がおすすめです。低山の森林地帯は虫が多いので特に注意してください。
特に蜂は黒いものに寄ってくるので、なるべく白や明るい色の服やザックなどを使用して黒のアイテムを使わないようにしましょう。また、甘い香りにも寄ってくるので香水や整髪料はつけないほうがよいです。
虫除けにはハッカ油とエタノールで作るハッカ油虫除けスプレーが人気です。ポイズンリムーバーとセットで準備しておきましょう。