シングルバーナー(ストーブ)の使い方とおすすめ比較13選【登山・キャンプ・アウトドア向け】

photo by Felix Neumann

初心者の方が登山やトレッキングに慣れてきたらチャレンジしたいのが山頂での料理や炊飯です。まずはコーヒー一杯を淹れるだけでも登山の楽しみが倍増します。今回は調理に欠かせないシングルバーナーについて、風防や五徳などのパーツの説明や、選び方や使い方、おすすめのバーナーをブランド別に比較します。

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シングルバーナーとは

シングルバーナーとは
シングルバーナーとは、燃料に「ガス」若しくは「液体」を使用するバーナーのことを指し、シングルストーブとも呼ばれます。どちらの燃料も気化させて空気中の酸素と混合燃焼させることで高出力を実現しています。

シングルバーナーの種類

シングルバーナーにはガス式と液体燃料式が存在します。それぞれのシングルバーナーについて、燃料や燃焼の仕組み・シングルバーナーの構造について解説します。

ガスストーブ

燃料

ガスストーブの燃料はLPガス(液化石油ガス)で、具体的にはブタン、イソブタン、プロパンなどが使用されています。これらのLPガスが高圧で圧力をかけられて液化された状態でガスカートリッジに入っています。液化することでガスの体積は250分の1程度になるため、軽量コンパクトに持ち運ぶことができます。

実際に燃焼する際は、液化しているガスが気体になり空気中の酸素と合わさってパワーを発揮します。ガスストーブのノズルをひねって圧力を緩めると液化ガスが気化します。

それぞれのガス沸点はブタンが-1℃、イソブタンが-11.7℃、プロパンが-42℃となっていて、平地の大気圧の状態では沸点より低い温度で気化することが難しくなります。つまり、沸点に近くなるとうまく気化できずに出力が落ちる原因になります。

具体的には、ブタン100%のガスカートリッジの場合は気温が10℃を下回ってくるとパワーが落ちてきます。シングルバーナーのカートリッジはどのメーカーもノーマルタイプとハイパワータイプが販売されているので、高所や寒冷地ではハイパワータイプを選択するとよいでしょう。

また、液体が気化する際に気化熱と呼ばれる熱を奪う現象が起こります。20℃の環境でシングルバーナーを使っていたとしても、気化熱によってガスカートリッジがどんどん冷えて出力低下につながります。出力の低下はガスが減ることとは全く関係がなく、カートリッジが冷えることが原因ですので覚えておきましょう。冷えて出力が低下した場合は湯煎や手で温めるなどすると出力が復活します。

構造

シングルガスバーナー

①風防
風の影響を受けると高出力でも効率が下がってしまうため、風防は非常に重要です。シングルバーナーの風防は軽量化のために五徳と一体化しているモデルが多いですが、より風除けを重視した大型の風防モデルも存在します。

②五徳(ゴトク)
鍋やフライパンを乗せる部分を五徳(ゴトク)といいます。大きければ大きいほど、3本より4本のほうがより安定性が高くなりますが重くかさばります。軽量化するか安定性を求めるかは目的に応じて選択しましょう。

③バーナーヘッド
ガスが噴き出す部分です。風に強い形状が各メーカーで工夫されています。

④点火装置
点火装置があると着火が安全で簡単になります。高地では作動しないこともあるため、必ず防水性のマッチを持っておくことをおすすめします。

⑤火力調節ダイヤル
火力が調整しやすいと調理がしやすくなります。ダイヤルタイプやワイヤータイプがあります。

⑥ガスカートリッジ
ガスカートリッジは安全のため、原則シングルバーナー本体と同じブランドを使用することを各社で推奨されています。ガス式のシングルバーナーはカートリッジが使い捨てになります。

液体燃料ストーブ

燃料

ホワイトガソリンや自動車用のガソリン、灯油などが燃料となります。ホワイトガソリンは通常のガソリンと比べて燃焼効率が高く、煤の量が少ないので登山用の燃料としておすすめです。コールマンのエコクリーンは有害なトルエンやキシレンといった成分を100%取り除いている製品のためおすすめです。

液体燃料のシングルバーナーの場合も、燃焼される時に気化する必要があり、プレヒートと呼ばれる事前の加熱作業が必要になります。まずポンプで加圧し、その後着火して一度不完全燃焼状態で燃料を燃やして温めます。しばらく温めると安定して出力が上がってきます。

液体シングルバーナーの着火までの様子はこちらの動画がわかりやすいので参考にしてください。

構造

シングルバーナー(液体燃料)

①風防、②五徳(ゴトク)、③バーナーヘッド
液体燃料のシングルバーナーはプレヒートの機構が組み込まれているのでガスと比較すると重くてかさばるものが多くなります。

④フューエルホース
燃料漏れが起きないように金属製のメッシュで覆われています。この部分が固いと収納時にかさばるので、しなやかなモデルを選ぶとよいでしょう。

⑤ポンプ
この部分をピストンして空気を燃料ボトルに送り込むことで燃料ボトルを加圧します。

⑥火力調整ノブ
プレヒートから火力を上げる時や消化の際に使用します。

⑦燃料ボトル
ガスカートリッジと異なり、使い捨てではありません。燃料を入れて何度も使うことができます。

シングルバーナーの選び方

シングルバーナーの選び方
oskar karlin

シングルバーナーの基本を理解したところで、次は選び方について説明します。大きく分けるとガスと液体の2択になりますが、最近はより熱効率を高めるための工夫や出力を安定させるための機構を備えたモデルが存在ます。

ガスストーブか液体燃料ストーブか

ガスストーブと液体燃料ストーブのメリットデメリット比較をまとめました。それぞれにメリットとデメリットがありますが、初心者におすすめなのは軽量でコンパクトに持ち運べて安全に使用できるガス式のシングルバーナーです

ガソリンのシングルバーナーは高出力で低温でも安定して使えるので、冬期の雪山で雪を溶かしてして水を作るために長時間強い火力が求められる場合などに特に有効です。

 ガス液体(ガソリン)
メリット・軽量、コンパクト
・操作がかんたん
・安全に扱いやすい
・火力を微調整しやすい
・低温に強い
・出力が高く安定
・コストパフォーマンスが高い
・繰り返し使用できる
デメリット・低温に弱い
・連続使用で出力が低下しやすい
・カートリッジが使い捨て
・燃料が高い
・重くてかさばる
・扱いが少し難しく、慣れていないと危険な場合も
・着火に手間がかかる

一体型か分離型か

液体燃料式は基本分離型になりますが、ガス式のシングルバーナーはカートリッジの上部にそのままストーブを乗せて接続する一体型が最も広く利用されている形になります。メリットは小型で軽いこと。狭いスペースでも調理が可能です。

一方分離型は重心が少しかさばりますが、重心が低く安定して料理できるので、ダッチオーブンや大きめのフライパンや鍋などを乗せて調理しやすくなります。

出力の違い

シングルバーナーの出力の比較
出典:SOTO

出力は液体燃料が高くなる傾向にありますが、メーカーによって、燃料の配合やバーナーヘッドや風防の形状によっても変わってきます。実際の山では気温や風の状況が異なるため、例えばお湯が沸く時間を比較すると同じ製品でも違った結果になります。

トレンドは直噴ヘッドの高効率型

直噴型のシングルバーナー

出力が高い燃料を使用する以上に大事にしたいのが効率を上げて無駄な燃料を消費しないこと。無駄を減らすことで時間短縮にもエコにもつながります。最近のシングルバーナーは炎を広げずに真上の一方向に噴出して熱効率を上げるタイプが主流になってきています。

また、ガス式のシングルバーナーで液出しモデルも存在します。カートリッジからは液体のまま出してバーナーヘッド直前で気化させることで、ガス式の場合の弱点であった気化熱で出力が落ちることを防いだモデルです。

カセットガス(カセットボンベ、CB缶)のシングルバーナーという選択肢も

100円均一やスーパーでも市販されているカセットガス(カセットボンベ、CB缶)を燃料とするシングルバーナーも存在します。メリットは燃料が手に入りやすく、出先でも追加購入しやすい点です。デメリットは低温で火力が低下しやすいので高山には向いていません。

おすすめのガス一体型のシングルバーナー5選

第1位:ソト(SOTO) マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310

ガス一体型でおすすめ第1位はSOTOのウインドマスターです。側面が高いすり鉢型のバーナーヘッドで風の影響が最小限に抑えられ、炎も真上に噴出されやすくなっています。強風時も炎が流されにくい構造で、熱効率を向上させています。また、マイクロレギュレーターにより火力調整がかなり細かく制御でき、低温でも安定して火力を実現します。

標準装備の五徳は3つで着脱式のためコンパクトに収納でき、大きな鍋やフライパンをのせる場合は別売りの4つの五徳も使用可能です。出力は2,800kcalで67gと非常にコンパクトなシングルバーナーです。初心者の方で何を買ったらよいかわからない人にまずおすすめです。2013年にグッドデザイン賞も受賞しています。

第2位:PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー

五徳の風防がX型になっていて風で1箇所が消えても他のエリアが消えずに燃え続ける耐風設計になっています。また、4つの五徳は大きくて安定しているので使いやすさも抜群です。点火装置もついているので着火も楽です。3,600kcalとハイパワーで非常に人気が高く、初心者から上級者まで広く利用されています。重量も116gと軽量です。

第3位:EPI(イーピーアイ) REVO-3700ストーブ

EPIのREVO3700に採用されているS.F.P.M

出典:EPI

EPIのREVO3700はバーナーヘッドがS.F.P.M(シンタード・ファイバー・ポーラス・メタル)と呼ばれる金属繊維状の形になっていて、防風性と繊細な炎のコントロールが可能になっています。4つの五徳は折りたたみでコンパクトに収納できながらも幅広で重たい鍋やフライパンを乗せても安定感が高いです。

出力は3,700kcalと十分で重量は111gです。付属にスタッフサッックとプラスチックケースがついてくるので選んで持ち運びできます。とろ火の調整にこだわる人や風に強いモデルを探している人におすすめです。

第4位:スノーピーク(snow peak) ギガパワーストーブ 地 GS-100

スノーピークのギガパワーストーブ地は「世界最小、最軽量、最コンパクト」をコンセプトに1998年に発売されたロングセラーモデルです。自動点火装置など余計なパーツを省き、五徳などの見た目も機能美を追求した独特の形状をしています。

出力は2,500kcalと控えめで、炎が広がるため効率が悪かったり、防風性が低かったりと弱点はありますが、他のシングルバーナーとは全く異なるデザインから人気が高いモデルです。重量は88gで最新の超コンパクトモデルよりは少し重くなりますが、十分軽量コンパクトなシングルバーナーと言えます。人と違うシングルバーナーを探している人におすすめのモデルです。

第5位:コールマン F-1パワーストーブ

コールマンの中でも最もハイパワーなシングルバーナーがパワーストーブです。3,700kcalの高火力で重量は146gです。

おすすめのガス分離型のシングルバーナー2選

第1位:PRIMUS(プリムス) シングルバーナー エクスプレス・スパイダーストーブⅡ

ガス分離型のシングルバーナーでまずおすすめしたいのが、プリムスのエクスプレス・スパイダーストーブⅡです。五徳は大きくて安定性が高いながらもしっかり肉抜きされて軽量化を実現しています。そして、分離型ながらも手のひらの大きさにおさまるコンパクトな形状で収納することができる点もおすすめのポイントです。

ガス調整はカートリッジ上部のツマミになるため、調理中も安全に調節することができます。また、低温時や連続使用時に火力が落ちないように、途中でガスを強制的に気化させるプレヒートパイプがバーナーヘッド付近に通っています。

カップラーメンの湯沸かしだけでなく、様々な料理を試してみたいと考えている人におすすめのシングルバーナーです。

第2位:スノーピーク(snow peak) ヤエン ストーブ レギ GS-370

スノーピークのヤエンストーブ レギは一体型と分離型の中間の形状をしています。分離型の利点である重心の低さと、ストーブ部分とカートリッジ部分による接地面積の広さでより高い安定性を実現しています。

カートリッジの大きさに合わせて高さも調整できるので、使い勝手も問題ありません。五徳も4つで安定性も高く、火力調整ハンドルも炎から遠い位置にあるため安全に扱うことができます。

出力は2,900kcalで重量は220gです。安定感が高いシングルバーナーを探している人におすすめのモデルです。

おすすめのカセットガス(カセットボンベ、CB缶)型のシングルバーナー4選

第1位:ソト(SOTO) レギュレーターストーブ ST-310

カセットガス(カセットボンベ)式のシングルバーナーで一番人気がSOTOのST-310です。ガス一体型で紹介したウインドマスター SOD-310と同じく、マイクロレギュレーターを搭載したモデルで、カセットボンベ式最大の弱点である出力低下に強く火力調整もしやすくなっています。

重量は350g、出力は2,500kcalです。カセットガス(カセットボンベ)は山道具専門店以外でも手に入りやすいため、気軽にトレッキングでコーヒーやカップラーメンを楽しみたい登山初心者の方におすすめです。

第2位:イワタニ(Iwatani) カセットガス ジュニアバーナー CB-JRB-3

イワタニのジュニアバーナーは値段が安くお手ごろな価格で購入できるため人気のシングルバーナーです。大きめの鍋を利用する場合は少し安定性に欠けるかもしれません。

重量は274g、出力は2,300kcalです。カセットボンベ式のシングルバーナーは災害用のアイテムとしても使えるので、ハイキングと兼用で購入を検討している人などにおすすめです。

第3位:ソト(SOTO) G’Z シングルバーナー ST-301

カセットガス(カセットボンベ)式のシングルバーナーでキャンプ用として人気が高いのがSOTOのST-301です。その理由は、ダッチオーブンなど大きくて重たい鍋も接地できる大型の五徳が採用されているからです。軽くてコンパクトさが重視されるトレッキングや登山にはあまり向いていませんが、キャンプでダッチオーブンを使って調理したいという人におすすめです。

ダッチオーブンのように長時間加熱して鍋が熱くなるものをガス缶に近づけておくと爆発の恐れがあり危険です。ST-301のような分離型を使うとガス缶と鍋の距離ができるので安全に調理することができます。

出力は3,200kcalとカセットガスの中では高めです。重量は640gとかなり重いのでキャンプやその他アウトドア向きです。

第4位:UNIFLAME(ユニフレーム) テーブルトップバーナー

ユニフレームは洋食器や金属で有名な新潟県燕三条のアウトドアメーカーです。キャンプ向けの商品が充実しています。テーブルトップバーナーは重量が900gとかなり重いですが、耐荷重が15kgとこちらもダッチオーブン対応の大型シングルバーナーです。出力はSOTOのST-301を上回る3,900kcalと、大火力で料理が捗ります。

バーナーヘッドの受け皿が熱を逃さず防風効果もあるため、効率性も高くなっています。こちらも登山向きではなく、キャンプ向きのシングルバーナーです。

おすすめの液体燃料型のシングルバーナー2選

第1位:ソト(SOTO) MUKAストーブ SOD-371

ガソリンなどの液体燃料を使用したシングルバーナーでは不可欠だったプレヒートを簡略化してすぐに安定した火力にすることができる、扱いやすいシングルバーナーです。入門モデルとしてガソリンストーブの初心者におすすめです。

燃料ホースは柔らかくしなやかなので収納もコンパクトになります。圧力インジケーターも見やすく、点火や火力調整、消化が一つでできるコントロールダイヤルもわかりやすい表示で扱いやすいです。

重量は333g,出力は4,000kcalの大出力です。燃料には自動車用レギュラーガソリンとホワイトガソリンが使用可能です。ガソリンストーブ初心者の方はまずこちらがおすすめです。

第2位:MSR シングルバーナー・ストーブ ウィスパーライト インターナショナル

MSRのウィスパーライト インターナショナルはこちらもSOTOのMUKAストーブ同様にガソリンモデルの超定番モデルです。コントロールバルブはグローブをはめたままでも操作しやすい大型の形状をしています。

3つの五徳は肉抜き加工で軽量化されており、バーナーヘッドはお椀状のパーツで防風性が高められています。重量は309g、出力は2,772kcalです。燃料には自動車用レギュラーガソリンとホワイトガソリンだけでなく灯油も使用可能です。

合わせて準備すると便利なアイテム

風防

ライター・防水マッチ

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